第14回マンガ大賞
第25回手塚治虫文化賞新生賞
第69回小学館漫画賞受賞作
字面を見ただけでも、凄すぎる肩書。
余りにも有名過ぎて、今更ご紹介するのも
恥ずかしいくらいの名作。
「葬送のフリーレン」
魔王を倒してめでたしめでたし、から50年経った世界のお話。
4人の勇者一行の内のひとり、エルフの魔法使いを主人公に物語は始まる。
物語の序盤から、時の流れの異なる仲間達との永遠の別れを読者が目撃するという衝撃の展開は、ありそうで無かった。
いや、確かに大好きな小説や映画なんかも、「めでたしめでたし」な余韻でエンドロールが流れるけど、けど……。ぐぬぬぬぬ。
よく見かける2次創作では、「ヒンメル×フリーレン」的なニュアンスの作品なんかも見かけるけど、枯れてる自分的には、その発想も無かったけど、そう考えると、余計にあの始まりの衝撃ったらない!衝撃度が瀑上がりである!!
マジで切なすぎる始まりである。
エルフという長寿種が何事にも淡白であるのに対し、勇者一行や、彼女の師匠、新たな旅の道連れ達の感情の起伏が、フリーレンに与える影響は、少しずつではあるけれど、確かに見て取れる。
読者である我々も、一緒に一喜一憂することが出来る。そんなお話。
彼女の新たな冒険は、新しい仲間との交流や昔の仲間との回顧に彩られ、悲しいものでは決してない。
人間と魔族、そしてフリーレンや彼女の仲間達にどんな未来が待っているのだろうか。
永遠に彼女の旅が終わらないで欲しいと願ってしまう作品。
是非是非、ご一読ください。
今では個人的にも「ヒンメル×フリーレン」派です。あくまで個人的な趣味です。気分を害した方がいたら、申し訳ないっす。
山田鐘人(原作)
アベツカサ(作画)
『週刊少年サンデー』(小学館)
2020年22・23合併号より連載中
葬送のフリーレン